日本話し方センター社長・横田章剛のブログ

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2023年7月16日話し方上達のために考える習慣を身につけよう



★常に考える


私がいつも心に留めている、大好きな言葉があります。それは『常に考える』という言葉です。
これは岐阜県に未来工業というとてもユニークな会社が掲げている理念です。この会社は1965年の創業以来赤字なしで、働きやすい環境を整えることに注力していて、「日本一社員が幸せな会社ホワイト企業」という評判を得ています。
この会社の様々な取組のベースになっているのが『常に考える』です。社員一人ひとりが常に考えることで、会社が成長し、社員の幸せが実現できるのです。


★常に、話す前に考える


ところで、話し方の上達においても、常に考えることはとても大切です。

 
◎話のネタを集める

それは、考えることで話のネタを集めることができるからです。
2日間集中コースでは、受講生に2分間のスピーチをその場で3つ作成して話すトレーニングをしてもらいます。テーマは、「失敗談」「うれしかった体験談」「この研修で学んで得たこと」の3つです。しかし、受講生の中には、テーマに応じたスピーチ原稿がなかなか作れないという人がいます。話を聞いてみると、なかなかこれらのテーマに合う話のネタが思いつかないとのこと。

スピーチのネタは、日常のちょっとした出来事に目を向け、それについて考えることでたくさんストックすることができます。忘れ物や勘違い、人に感謝されること、感謝したことなど、私たちは日常生活の中でほぼ毎日体験しています。しかし、私たちはそれらのほとんどを記憶に留めていないのです。意識してそれらを記憶に残すことで話のネタは集めることができるのです。

 
◎聞き応えのある話にする

一方、話のネタが見つかってスピーチ原稿は書けても、そこに事実しか書かれていない、という例も散見されます。
・自分のスキルアップのために、ある国家資格を取ることに決めた。
・テレビや遊びを控えて、毎日継続的に勉強した。
・その甲斐あって無事に資格を取ることができた。
要約するとこのような原稿ですが、この内容では聞き手には面白くないので印象に残りません。途中で聞いてもらえなくなります。

これを聞き手に聞いてもらえるようにするには、次のような要素を話に加える必要があります。
・スキルアップしようと考えたきっかけ
・毎日の勉強をしていた時の思い
・もうやめようと思ったが結局やめずに続けた理由
・合格できた時の気持ち
・これからの資格の活かし方

これらについて考えて話せば、聞き手に話に共感してもらえるでしょう。人は、物事や話を理解する時に必ず感情が動きます。聞き手の感情を動かすには、事実の羅列では不十分です。自分の考えや気持ちを加えることが必要なのです。


★ビジネストークでも常に事前に考える


考えることは、ビジネスにおける会話でも重要です。
単に事実を報告、伝達するだけでなく、そこに自分の意見や気持ちを添えることで、相手に理解してもらいやすくなりますし、話し手の人柄も伝わります。例えば、「R社に納品する商品が今日、P社から届きました」という報告も、「R社に納品する商品、予定より1日早く届きました。P社は対応がいつも早いので安心です。それに1日早く届ければR社の我が社への信頼も高まります」と報告すれば、上司は状況がよりよく理解できるでしょう。また、あなたが仕事のことをよく把握しており、取引先のこともきちんと考えていることが理解されるでしょう。
伝わる話をする、日常会話が上手くなるなど、話し上手になるためには、常に考える、常に感じる、という姿勢が欠かせないのです。

 

★話し方教室で考えるコツをつかみましょう!


日本話し方センターのベーシックコース2日間集中コースでは、聞き手に共感してもらえる話ができるようになるために、話の仕方とともに話の内容もアドバイスしています。その中で受講生の考えていることや思っていることを引き出すご指導もしています。ぜひ「受講者の声」をご覧の上、受講をご検討ください!
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